【甘楽富岡国際農村フォーラム2012 報告】

■日  時  平成24年2月4日(土)15:00~18:00
■会  場  JA甘楽富岡 大会議室(群馬県富岡市富岡2638-1)
■対 象 者  地域振興に関心のある方、市町村行政担当者、JICA事業に関心のある方など
■主  催  特定非営利活動法人 自然塾寺子屋、甘楽富岡農村大学校
■共  催  JICA地球ひろば
■後  援  群馬県

第一部  JICA青年海外協力隊 平成21年度3次隊 帰国報告 
      1.杉町栄太郎(野菜 エジプト)2.明石健太郎(野菜 ガボン) 
      3.金子将司(野菜 フィジー)4.恒成公英(村落 パラグアイ) 5.村西真典(野菜 セネガル) 

第二部 甘楽町長 講和 「新たな担い手としての協力隊OV」
     青年海外協力隊帰国隊員が考える自分たちの居場所つくり
  
〈パネラー〉 高野さやか 氏(モザンビーク看護師OG)、松原有希 氏(セネガル野菜隊員OG)
        佐藤愛 氏(協力隊現職派遣参加希望者)、新井健司 氏(マラウイ農業土木OB)
〈座長〉   太田美帆 氏(玉川大学 文学部 助教 )

 群馬県南西部に位置する甘楽富岡地域では平成15年より国際協力事業に関する研修員を受入れている。
 第一部では、2012年1月に帰国したJICA青年海外協力隊員5名が世界各地の事例を元に、
甘楽富岡から何を学んだのかをフィードバックした報告を行った。
 野菜栽培でガボンに派遣された明石さんは「甘楽富岡での研修は協力隊生活の二年間の縮図であった。
技術はもちろんだが、農村に溶け込み、人の懐に入っていく大切さを研修で学んだことによって、現地でも
農村に溶け込み、良い活動が出来た。」と語った。
 村落開発普及員でパラグアイに派遣されていた恒成さんは「誰でも受けられるわけではない甘楽富岡の研修に参加できたのはとても幸運なことであった。この研修を通して海外の農村に入る前に日本の農村で勉強できたと事は自分の活動の糧となった。そして日本で出来なかった事は、海外でも出来ない事を実感した。日本にいる期間、‘今’という時間を大切に、色々なことに挑戦し学んでいってください」と現在、甘楽富岡にて研修を受けている7名の協力隊候補生達にエールを送った。
 また、野菜栽培でセネガルに派遣されていた村西さんは、甘楽富岡研修での沢山の出逢いを期に、
農家としてやっていくフィールドを甘楽富岡に決め、現在就農準備期間として富岡で研修を受けている。

 第二部では協力隊帰国隊員を新たな地域の担い手として考えている甘楽町長の話や
2年間の青年海外協力隊活動を終え定住することとなった甘楽富岡という地域、
Uターン者やIターン者が感じる町の魅力やどのようなサポートを期待するのかなど、
パネルディスカッションを通して、若者が定着する地域づくりのあり方を考えてみた。
甘楽町長は、甘楽町にて研修を受けて途上国へ旅だった若者が戻ってくることはとても嬉しいことであり期待している。
また、その町から協力隊志願者がでた事もとても誇らしく嬉しい。
そんな甘楽町には自慢できることが3つある。1つ目は,東京都北区との都市農村交流!2つ目がイタリアチェルタルドとの姉妹提携!
三つ目は自然塾寺子屋があることだと語ってくださいました。

パネルディスカッションでは協力隊OGモザンビークの看護隊員として派遣され、現在、富岡の病院に勤めている高野さんは
「外部者として来てこの町に住んでみて1年半、雄大な自然や歴史的な建物などとても魅力的な町だと思う。
外部者の女性の視点から気づいたこと、それは託児所がないということ。もしもの時に御世話をしてくれる親が側に
いないので、託児所があったら安心です。」と語った。
同じく協力隊OGでセネガル野菜隊員であった松原さんは「甘楽町の小幡の桜並木がとても気に入っている。住居住居がなかなか見つからないで困っているが、住居探しに町長や議長さんが直接連れて行ってくれたりと、とても身近にいてくださるので心強く安心して住む事が出来ている。」と感謝した。そして、現在、協力隊参加を希望している佐藤さんは、現職参加でいけるように町が条例をつくってくれたことに感謝し、受かって帰国した際は協力隊の経験を生かしながら町にこれからも貢献していきたいと志を語った。

最後に甘楽富岡農村大学校の白石校長は、「今3人もの若者がこの農村に入って就農していることはこの地域の成果であり嬉しく思う。また、富岡市をも巻き込んでどんどん地域を盛り上げていきたい。」と語った。